カエルは神様の使い？幸運を呼ぶ縁起と神社を解説

神社などでカエルを見かけると、何か良いことが起こるサインなのでは、と感じたことはありませんか。

古くから、カエルは幸運を運ぶ神様の使いであると言われています。

しかし、「カエルは神様の使いですか？」と問われると、その具体的な理由や背景を知らない方も多いかもしれません。

この記事では、蛙が持つスピリチュアルな意味から、なぜカエルが縁起のいい生き物とされるのかを深く掘り下げていきます。

日本神話に登場する生物としてのカエルの役割や、諏訪大社のような蛙の神様を祀る神社、さらには海外の縁起物として知られるエジプトの神様ヘケトまで、幅広く解説します。

また、「カエルが神様の使いの神社はどこですか？」や「神社でカエルに会うとどうなる？」といった具体的な疑問にもお答えします。

この記事を読めば、カエルが幸運を運んでくる理由が明確になるでしょう。

この記事を読むことで、あなたは以下の点について深く理解できます。

なぜカエルは神様の使い？そのスピリチュアルな背景

神様の使いですか？

はい、古くから日本の信仰において、カエルは神様の使い、あるいは神聖な生き物そのものとして考えられてきました。

その理由は一つだけではなく、言葉の響きやカエルの生態、そして神話における役割など、複数の要因が絡み合っています。

最も広く知られているのは、その名前の響きからくる語呂合わせです。

また、カエルは一度にたくさんの卵を産むことから「子孫繁栄」の象徴とされたり、前にしか跳ばない習性から「出世運」や「仕事運の上昇」といった前向きな意味合いで捉えられたりします。

このように、カエルの持つさまざまな特徴が、人々にとってポジティブなイメージと結びつき、神聖な存在として扱われるようになったのです。

カエルは幸運を運ぶ？幸運を運んでくる由来

カエルは幸運を運んでくる象徴として、多くの文化で親しまれています。

その由来は、農耕との深い関わりにまで遡ります。

雨は作物を育てるために不可欠であり、豊作をもたらす吉兆と考えられたのです。

さらに、カエルは害虫を食べてくれる益獣でもあります。

田んぼの稲を害虫から守ってくれる姿は、人々にとって非常にありがたいものでした。

これらの理由から、カエルは田んぼの神様の使い、あるいは豊作をもたらす幸運のシンボルとして大切にされてきた背景があります。

これらのポジティブなイメージが積み重なり、カエルは幸運を運ぶ存在としての地位を確立していきました。

なぜ縁起がいいと言われるのか

カエルが縁起の良い生き物とされる背景には、これまで述べてきた語呂合わせや生態的な特徴に加え、古代からの信仰の歴史が存在します。

例えば、邪馬台国の有力候補地とされる奈良県の纒向遺跡では、祭祀に使われたと考えられるカエルの骨が大量に出土しました。

これは、カエルが神様への神聖な供物として扱われていたことを示す貴重な証拠です。

また、語呂合わせのバリエーションも非常に豊かです。

このように、言葉遊び、生態、そして古代の祭祀といった複数の要素が複合的に絡み合い、カエルは縁起の良い生き物としてのイメージを強く持つようになったのです。

蛙が持つスピリチュアルな意味とは

カエルは、スピリチュアルな観点から見ると「再生」「変化」「浄化」といった非常に深い意味を持つシンボルです。

水中で暮らすオタマジャクシが、やがて手足が生えて陸でも生活できるカエルになる姿は、古い自分を脱ぎ捨てて新しいステージへ移行する「再生」や「変容」の象徴と捉えられます。

また、カエルは水と深い関わりを持つ生き物です。

水辺に棲むカエルは、そのような浄化のエネルギーを運び、心身を清めて新しいエネルギーを授けてくれる存在とも言えるでしょう。

縄文時代の土器にカエルの文様が描かれていることからも、古くから生命を生み出す大地や豊穣、そして「死と再生のサイクル」を象徴する神聖な生き物であったことが分かります。

日本神話に登場するカエルという生物

カエルは、日本の神話である『古事記』にも神様として登場し、重要な役割を果たしています。

物語の場面は、大国主神が出雲の美保岬にいたときのことです。

海の向こうから小さな神様が船に乗ってやって来ましたが、名前を尋ねても答えません。周りの神々に聞いても、誰もその神様の正体を知りませんでした。

そのとき、ヒキガエルの多邇具久が進み出て、「このことでしたら、久延毘古（くえびこ）がきっと知っているでしょう」と大国主神に告げます。

久延毘古とは、田んぼに立つ案山子（かかし）が神格化された存在で、歩くことはできませんが世の中の全ての出来事を知っている知恵の神様です。

多邇具久の助言通り久延毘古に尋ねると、その小さな神様は神産巣日神の御子である少名毘古那神（すくなびこなのかみ）だと判明しました。

この説話から、カエル（多邇具久）は、知恵の神（久延毘古）が持つ広大な知識を、世の中に伝えるための媒介者、つまりメッセンジャーとしての役割を担っていたと考えられます。

単なる生き物としてではなく、神々の世界において重要な情報伝達の役割を担う存在として描かれているのです。

カエルを神様の使いと仰ぐ神社と海外の信仰

海外の縁起物とカエルの神様ヘケト

カエルを縁起の良い生き物と見なす文化は、日本に限りません。

世界中の多くの国や地域で、カエルは幸運や豊穣のシンボルとして親しまれています。

古代エジプトの女神ヘケト

古代エジプト神話には、カエルの姿、あるいはカエルの頭を持つ女性の姿をした「ヘケト」という女神が存在します。

ナイル川の氾濫が農耕の始まりを告げるように、氾濫後に大量に現れるカエルは、生命の再生と豊穣の象徴とされ、神聖視されたのです。

 

世界各国のカエル信仰

エジプト以外にも、カエルを縁起物とする文化は数多くあります。

国・地域	カエルが象徴するもの
中国	3本足のカエル「青蛙神（せいあじん）」は財運をかき集める聖獣とされ、金運向上のシンボルとして非常に人気があります。
ヨーロッパ	グリム童話『カエルの王様』に代表されるように、変身を通じて幸運や良縁をもたらす存在と見なされています。「変化」の象徴です。
インド	雨乞いの儀式でカエルの結婚式を行う風習があり、雨を降らせる神聖な生き物として扱われています。
バリ島	雨季の到来を告げる存在であることから、雨の神様の使いとされ、豊穣や子孫繁栄の象徴として多くの置物が見られます。

このように、カエルは世界中で生命、豊穣、財運、変化といったポジティブな意味を持つ、普遍的な幸運のシンボルであることが分かります。

蛙の神様で知られる諏訪大社

長野県にある諏訪大社は、日本で最も古い神社の一つとされていますが、ここではカエルと非常に深い関わりのある特殊な神事「蛙狩神事（かわずがりしんじ）」が古くから執り行われています。

この神事は、毎年元日に行われ、かつては実際にカエルを捕らえて神前に捧げ、矢で射抜くというものでした。

これは、諏訪大社の祭神である建御名方神（たけみなかたのかみ）が、洩矢神（もりやのかみ）との神位を巡る争いの際に、洩矢神が鉄の輪で抵抗したのに対し、建御名方神が藤の枝で打ち破ったという神話に由来するとも言われています。

捧げられたカエルは、神様への供物であると同時に、一年間の五穀豊穣を祈願するための生贄としての意味合いがありました。

現在では、動物愛護の観点から実際にカエルを狩ることはなく、カエルの模型を使った儀式となっていますが、この神事の存在自体が、諏訪大社においてカエルがいかに神聖で重要な存在であったかを物語っています。

古来の信仰の形を今に伝える、非常に貴重な神事と言えるでしょう。

カエルが神様の使いの神社はどこか解説

日本全国には、カエルを神様の使い（神使）としたり、縁起の良いシンボルとして境内に祀ったりする神社仏閣が数多く存在します。

猿田彦大神の使いとしてのカエル

カエルを神使としている代表的な神様が、天孫降臨の際に道案内をしたとされる「猿田彦大神（さるたひこのおおかみ）」です。

猿田彦大神は「みちひらきの神」や「旅人の神」として信仰されています。

猿田彦大神を祀る神社の境内では、カエルの像を多く見かけることがあります。

 

カエルにゆかりのある主な神社仏閣

以下に、カエルと深い関わりを持つ代表的な神社仏閣をいくつか紹介します。

• 二見興玉神社（三重県伊勢市）

  夫婦岩で有名なこの神社は、猿田彦大神を祀っています。境内には「満願蛙」と呼ばれるカエルの石像が多数奉納されており、水をかけると願いが叶うと言われています。

• 如意輪寺（福岡県小郡市）

  通称「かえる寺」として全国的に有名なお寺です。ご住職が集めた5000体以上ものカエルの置物が境内の至る所にあり、訪れる人々を和ませています。「無事に帰る」「若返る」などのご利益を求めて多くの人が参拝します。

• 将門塚（東京都千代田区）

  平将門公の首が京都から飛んで帰ってきたという伝説にちなみ、左遷された人が無事に元の職場に「帰れる」ように、また行方不明者が無事に「帰る」ようにとの願いを込めて、多くのカエルの像が奉納されています。

これらの場所以外にも、カエルをシンボルとする神社は各地に点在しており、古くから人々の信仰の対象となってきたことが分かります。

神社でカエルに会うとどうなる？

神聖な場所である神社でカエルに遭遇することは、非常に縁起の良い出来事であり、神様からの歓迎のサインだと考えられています。

もし神社でカエルに出会ったら、それはあなたに幸運が訪れる前触れかもしれません。

特に、何か具体的な願い事があって参拝していた場合にカエルが目の前に現れたなら、神様があなたの願いを聞き届け、後押ししてくれている証拠と受け取ることができます。

思いがけない臨時収入があったり、仕事で成果が出たりする可能性があります。

さらに、カエルはその姿から「再生」や「変化」を象徴する生き物です。

もしあなたが何か困難な状況にあったり、人生の転機を迎えたりしているときにカエルに出会ったなら、それは状況が好転し、新しいステージへと進むことができる吉兆です。

カエルを見かけた際は、驚かせて追い払ったりせず、静かにその存在に感謝の気持ちを持つと、より一層その幸運のエネルギーを受け取ることができるでしょう。

総括：幸運を呼ぶカエルは神様の使い

• カエルは「帰る」「還る」の語呂合わせから縁起が良いとされる

• 無事に帰るという願いから交通安全の象徴

• お金が還るという願いから金運上昇のシンボル

• 前にしか跳ばない習性から出世運や仕事運アップを意味する

• 一度に多くの卵を産むため子孫繁栄の象徴でもある

• 雨の前に鳴くことから豊作をもたらす存在とされた

• スピリチュアルな意味では「再生」「変化」「浄化」を象徴する

• オタマジャクシからの変態が人生の転機や成長を表す

• 日本神話『古事記』では知恵の神の媒介者として登場する

• 古代エジプトでは豊穣と再生を司る女神ヘケトの姿であった

• 中国では3本足のカエルが財運を招く聖獣とされる

• 猿田彦大神の使いとして「みちひらき」のご利益と結びつく

• 二見興玉神社や如意輪寺などカエルにゆかりの神社仏閣が全国にある

• 神社でカエルに出会うのは神様からの歓迎のサイン

• 神社での遭遇は願い事が叶う前触れや吉兆と考えられる